「新しいお客様をもっと増やしたい」——サロン経営をしていれば、誰もが感じる悩みですよね。
でも、新規集客には避けて通れない事実があります。
それは、お金をかけることです。
ボランティアや口コミだけで十分だった時代もありますが、スタッフを抱え、店舗を増やしていくフェーズでは、「なんとなく」の集客では限界がきます。
では、こんな疑問が浮かぶと思います。
Q1:広告費って、どれくらいかければいいの?
Q2:何にかければいいの?
今回は、Q1の「広告費の考え方」についてお話しします。
「売上の5%」はあくまで目安
広告費の一般的な目安として「売上の5%」とよく言われます。
たとえば年間売上が5,000万円なら250万円、1億円なら500万円。
逆にいえば、それくらいはかけなければならないということでもあります。
「スタッフに任せておけば大丈夫」「SNSをなんとなくやっていれば…」——残念ながら、それではお客様は集まりません。
私自身の経験——ひとりサロン時代は0円でも回っていた
実は、私も昔ひとりでサロンをやっていた頃は、オープン時のチラシ以外、広告費はほぼゼロでした。
来店されたお客様にご紹介をお願いしたり、飲み会を自分で企画して営業したり。当時流行り始めていたSNS(「ぱどタウン」とか、覚えている方いますか?)で友達をたくさんつくって集客したり、よく行く居酒屋やバーの店員さんに宣伝したり……。
ひとりサロンの規模なら、それで十分でした。
ところが、店舗やスタッフが増えるにつれて、状況は変わります。フリーペーパーやタウン誌への広告掲載を始め、やがてポータルサイトにも出稿するようになりました。
ポータルサイトの「落とし穴」に気づいた日
ある時期、某ポータルサイトに1店舗あたり月額約24万円の広告費を払っていました。
ところがPOSデータを分析してみると、そのサイト経由の来店による月間売上が、広告費の24万円を下回っていることがわかったのです。
「まあ、新規のお客様がリピートしてくれれば回収できるし……」と思い直して、リピート率も調べてみました。すると——
😰 新規リピート率:20%以下
😰 5回来店率:良くて5%、ゼロの月もある
これでは投資回収できません。「これは意味がない」と判断し、思い切ってやめました。
そして、「この24万円を、紹介からの新規獲得に使ったほうがいいのでは?」と切り替えたのです。
この見直しがきっかけで出会ったのが、後の「単価UP戦略」でした。(単価UPについては別の記事でお伝えしますね。)
売上の5%よりも大切な考え方——LTVとYTV
ここからが本題です。広告費を考えるうえで、「売上の5%」よりも有効な指標があります。
LTV(ライフタイムバリュー)とは?
LTVとは、ひとりのお客様が最初に来店してから通い続けてくださる間に、サロンにもたらしてくれる収益の総額のことです。
LTV = 平均単価 × 平均年間来店頻度 × 平均来店継続期間
例)8,000円 × 年3.8回 × 5.5年 = 167,200円
この数字がわかれば、「1人のお客様を獲得するために、いくらまでなら広告費をかけられるか?」が見えてきます。
私が使っている指標——YTV(イヤータイムバリュー)
私の場合は、LTVをさらにシンプルにしたYTV(年間顧客価値)を広告費の判断基準にしています。
YTV = 平均単価 × 平均年間来店頻度
| タイプ | 平均単価 | 年間来店頻度 | YTV |
|---|---|---|---|
| 一般的なサロン | 6,500円 | 4回 | 26,000円 |
| 専門店(髪質改善など) | 15,000円 | 10回 | 150,000円 |
YTVが高いほど、広告費にかけられる余裕が大きくなります。
YTVから広告費を逆算する
YTVが150,000円の場合、その5〜10%が広告費の目安になります。
① 広告費の枠を決める
YTV 150,000円 × 5% = 7,500円
YTV 150,000円 × 10% = 15,000円
② 新規獲得に80%を配分
15,000円 × 80% = 12,000円(1人あたりの上限)
③ 実際の運用実績
現在は 1人あたり3,000〜5,000円 で推移中。
集客導線を整えれば、2,000円以下も十分可能です。
高単価サロンほど、集客投資の選択肢が広がるのです。
サロン経営者として押さえておきたい3つの数字
広告費を「なんとなく」ではなく、戦略的に管理するために、ぜひ把握しておいていただきたい数字があります。
1
年間の広告費総額
いま、トータルでいくらかけているか?
2
1人あたりの新規獲得単価
新規1人を集めるのにいくらかかっているか?
3
顧客維持のための施策費用
リピート促進にいくら使っているか?
この3つを数字で把握し、予算として管理していくこと。
それが、感覚頼みの経営から抜け出す第一歩です。
「じゃあ、その広告費を何にかければいいの?」
——その答えは、次の記事「広告費を何にかけるの?」でお伝えします。
ぜひ続けて読んでみてくださいね。


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