「ハサミを置く」という決断——27年間の経営で学んだ、美容師と経営者の決定的な違い

お知らせ

私が27年間、曲がりなりにも美容室を経営してこられたのは、フルで美容師をやっていた時代から、少しずつ「ハサミを置く時間」を確保し続けてきたからだと思っています。

今回は、私自身がどんな失敗を経て、完全にハサミを置く決断に至ったのか——そのリアルなストーリーをお話しします。

「40歳が曲がり角ですよ」——独立4〜5年目の転機

1999年に独立して4〜5年目のこと。あるディーラーの方からこう言われました。

「男性美容師は40歳が曲がり角ですよ。
経営者になることを考えるか、本物のカリスマ美容師になって経営を任せる人を確保しないといけませんよ。」

この一言がきっかけで、「経営者になろう」と一応は決めました。

……ただ、今から振り返ると、当時はまだ「ノリの経営」だったんです。本人は真剣だったんですけどね(笑)。

ノリで拡大し続けた結果——出店の連続と、その末路

その後の私の経営を、正直にお話しします。

独立6年目
ノリで移転拡張。2階建て40坪の店舗へ。
→ これがまあまあ運よく当たった。

9年目
ノリで2店舗目を出店。敷地230坪・建坪60坪の大型店舗。
→ ノリ出店のため、黒字化までに3年近くかかった。

その後
ノリでトータルビューティー化。ネイルサロン2店舗+アイサロンを出店。
→ ネイル1店舗は赤字を回収できぬまま閉店。

極めつけ
時短ママスタッフのみで構成した「ママサロン」を出店。
→ 大赤字の大失敗。

毎年、経営計画はつくっていました。でも振り返れば「経営者もどき」の経営。なんとかギリギリ赤字にならない程度で、綱渡りをしていたのが実態です。

12名の大量退職——本当の経営者になると決めた日

2012年から少しずつ美容師としての日数を減らし始め、週1日ずつ、毎年ハサミを持つ日を減らしていきました。
そして2015年末、完全にハサミを置きました

形のうえでは「経営者」になった。
しかし、本当の意味で経営者になる決意をしたのは、2014年の出来事がきっかけです。

無謀な採用を行った結果、
採用した人数以上の12名もの退職者を出してしまった。

この経験が、私を根本から変えました。

「形だけではない、本当の経営者にならなければ」——そう腹をくくり、大阪や東京に毎週のように通って、経営の勉強を始めたのです。

「ノリ」ではうまくいかない——学びの中で覆された常識

経営者として本格的に学び始めて痛感したのは、ノリでうまくいくほど経営は甘くないということでした。

それまで独学で「わかったつもり」になっていた経営の知識が、根底から覆されました。圧倒的な結果を出している経営者たちとの出会いがあり、自分の視座の低さを思い知らされたのです。

そうした学びの積み重ねを経て、いまの経営スタイルが確立されました。

美容師の脳と経営者の脳は、まるで違う

27年間の経験を通じて、ひとつだけ確信をもって言えることがあります。

💡 美容師をやりながらの会社経営は、
よほどの人物でない限り、両立できない。

美容師として目の前のお客様に集中するための脳の使い方と、経営者として会社全体の未来を考えるための脳の使い方は、まるで別のものです。

正直に言って、私にはこの2つを同時に使い分けることができませんでした。

たとえ1人でも雇ったなら、経営者としての役割が先

自分や配偶者以外の他人を1人でも雇って経営するなら、経営者はまず「経営者としての役割」を果たすことを第一に考えなければなりません。

経営者がやるべき4つのこと

1
経営理念を確立する

2
戦略・方針を策定する

3
ビジネスモデル(儲ける仕組み)を確立する

4
お客様や社員さんを幸せに導く

そのためには、まずハサミを置いて、これをやるための時間を確保すること。

組織が自走できるようになってから、もし美容師をやりたくなったら、またサロンに戻ればいい。私はそう考えています。

このブログでは、経営者がやるべきことをこれからも発信していきます。

私の失敗も、そこから学んだことも、すべて包み隠さずお伝えしていくつもりです。
ぜひ引き続き読んでいただけたら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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